今日はマイクロ法人の設立準備についてお伝えします。
前回の記事では個人事業主の設立準備をご紹介しましたが、
なぜ、マイクロ法人と個人事業主を同時に運営するの?
と思う方は、「マイクロ法人 or 個人事業主の選択」をぜひご覧ください。
マイクロ法人の設立手順は以下で考えていきます。
法人設立までに決めること
法人名を決める
まずはここからですね。
ぶっちゃけ、名前は何でも良いのでしょうが、会社名で事業概要がわかる方が無難ではありそうです。「なんでこの会社名にしたんですか?」と後々あえて聞かれるような名前にすることで、事業概要を説明するきっかけを準備しておくこともありですね。
最近では、会社理念自体を会社名にする企業も出てきています。
「任天堂」も実は会社理念を社名にしている会社です。3代目の社長、山内溥さんが「人生一寸先が闇、運は天に任せ、与えられた仕事に全力で取り組む」と社名の由来を定義しています。
また、ユニクロを運営するファーストリテイリングは、いかにお客様の欲しい商品を早く提供できるか、「ファーストフードのように早い小売り業」という企業精神をわかりやすく社名に表現しています。
法人で行う事業の選定
次に法人として行う事業を決める必要があります。
一般的には、法人として行う事業が確定した後で法人設立を考える順番だと思いますが、私のように社会保険料の最適化を見据えた法人設立の場合、何を法人事業とするかが悩みどころかなと思っています。
今のところ、私自身の法人事業は1)金融資産運用事業、2)物販(せどりも含む)の2種くらいを考えています。
株式会社にするか、合同会社にするか
マイクロ法人(社長は私一人だけ)の場合、株式会社と合同会社との間に明確な違いはないと思ってます。ただ、設立費用が合同会社の方が安いこと、定款認証が不要、役員の任期期限がなく面倒な手続きをせずにずっと代表を続けられるという3点が決めてで、私は合同会社を設立しようと思っています。
株式会社 | 合同会社 | |
意思決定 | 株主総会 | 社員総会 |
所有と経営 | 原則完全分離 | 原則同一 |
出資者責任 | 間接有限責任 | 間接有限責任 |
役員の任期 | 原則2年 | 任期無し |
代表者の名称 | 代表取締役 | 代表社員 |
決算公告 | 必要 | 不要 |
定款 | 認証必要 | 認証不要 |
利益配分 | 出資比率に応じる | 定款で自由に規定 |
設立費用 | 約25万円~ | 約10万円~ |
資本金
個人で運営する合同会社なので、資本金は1円でもよいわけです。
ただし、会社運営後、毎年確実に発生する社会保険負担や法人住民税の支払いを考えると、ある程度の金額規模を資本金として入れておかないと、すぐに資金がショートしてしまいます。
資金ショート前に増資するなり、役員借入金で調達しても良いのですが、増資には定款に記載される資本金額の変更が必要であり、定款変更費用も最低3万円掛かります。
法人で明確な収益を見込めないうちは、ある程度の金額規模を資本金として入れておかないといけないです。
法人用銀行口座の開設
法人としての取引用に、法人用銀行口座も必須です。
最近は、マイクロ法人向けの口座開設には時間がかかる銀行もあるようです。
まずは、↓以下のGMOあおぞらネット銀行での開設をお勧めします。
所在地
定款作成や登記申請の際に記入が必要となります。
最近は「バーチャルオフィス」いう住所貸しをサービス提供してくれる会社もあります。地方移住を予定している私にとって、法人住所は東京に設定しておいた方が良い場合もあるかもしれません。住所貸しに加え、郵便物の転送サービスや物理オフィスの利用等もあるので、活用を考えておきたいところです。
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決算月
決算を何月に行うか決めていきます。通常は国の会計年度と同じく3月決算を選ぶ会社が多いです。日本は官公庁が4月ー3月を年度としていることも一因だと思います。ただし、期末決算締は手間がかかるので、本業が忙しくない時期にするという選択もあります。
また、期末には法人税支払が控えているので、法人のキャッシュ残高が見込めるタイミングが見えているのであれば、その時期に合わせて決算月とすることも考えたいところです。
申請に必要な書類
法人設立には、少なくとも以下の8点が必要です。多いですよね。。
- 合同会社設立登記申請書
- 登記用紙と同一の用紙
- 定款2部(会社保存用と法務局提出用)
- 代表社員の印鑑証明書
- 払込証明書
- 印鑑届書
- 代表社員就任承諾書(場合によって必要)
- 本店所在地及び資本金決定書(場合によって必要)
上記に加えて、「法人印鑑」を準備しておかないといけないです。
こちらはネットでさっと法人用印鑑3種が申し込めますので、時間節約・安価に準備しておきましょう。
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書類の提出先
設立登記は、本店所在地を管轄する法務局などに申請します。マイナンバーカードを持っている場合は、オンライン申請も可能です。
いつ提出する?
会社設立日は、会社拠点(本店)を管轄する法務局に対して設立登記申請をした日です。 法務局は、土日祝が休みなので、土日祝は会社の設立日とすることはできません。 また、郵送で登記申請をした場合は、書類が法務局に到着した日が会社設立日となります。
会社設立日としてキリのいい1日にしようと考える人も多くいると思います。しかし、2日以降にすることで、法人住民税が少し節税ができる点は考えておきたいところです。
法人住民税は、設立日が1日ではなく月の途中の場合はその月は切り捨てて計算されます。つまり、設立日を2日以降とすると設立初月は切り捨てられるので、設立初年度は11カ月として計算されます。
そのため、住民税均等割りは7万円ではなく、7万円×11/12=64,100円(100円未満切り捨て)となり、5,900円が節税が可能です。金額的には少額ですが、設立日にこだわりがなければ、月の途中を設立日とすることも考えるべきと思います。
提出に必要な初期費用
会社設立には法定費用が必要です。法定費用とは、法務局や公証役場等に支払う費用です。
法定費用は設立する会社形態によって異なります。
株式会社 | 合同会社 | |
定款用収入印紙代 | 40,000円 | 40,000円 |
定款の認証手数料 | 50,000円(*) | 0円 |
定款の謄本手数料 | 約2,000円 (250円/ページ) | 0円 |
登録免許税 | 150,000円 または 資本金額 × 0.7% どちらか高い方 | 60,000円 または 資本金額 × 0.7% どちらか高い方 |
合計 | 約250,000円〜 | 約100,000円〜 |
(*)2022年1月1日から、定款の認証にかかる手数料が以下に変更されます。
・資本金100万円未満:30,000円
・資本金100万円以上300万円未満:40,000円
・資本金300万円以上:50,000円
申請後に行うこと
申請後は事業規模を拡大することに邁進するのみです。
と言いたいところですが、公告が必要になるケースがあります。
合同会社では年次公告は必須ではありませんが、念のため、以下の3パターンがあります。
年次公告:手段は3つ
官報
こちらは費用が発生します。
最小の2枠というスペースで74,331円(税込)です。
(参考)官報と官報公告・決算公告
日刊紙
こちらも費用が発生します。
日刊工業新聞の例ですと、2枠で99,330 円(消費税込)です。
結構かかりますねぇ~
(参考)日刊工業新聞社 法定公告のご案内
電子公告
電子公告は、自社のHP上に掲載する形態です。
特段の費用は発生させずに済みます。ただし、公告を電子公告の方法によって行うためには、定款にその旨を定めておく必要があります。
また、向こう5年間の継続した公告が義務付けられております。また、公告するホームページアドレスの登記も必要です。
株式会社変更登記申請書(公告方法の変更)
事前手続きに結構手間がかかりますね。。
合同会社で公告が必要になるケース
公告の方法は、官報に掲載することが定められており、電子公告は利用できないそうです。。
- 合併公告
- 吸収分割公告
- 新設分割公告
- 共同新設分割公告
- 組織変更公告
- 資本金の額の減少公告
- 資本金及び準備金の額の減少公告
- 準備金の額の減少公告
- 解散公告
(参考)freeeホームページ
マイクロ法人を活用した資産運用については、以下のページで紹介しています。
ぜひご参照ください!
最後に
ここまで読んで頂いて
こんなにやることたくさんあるんだぁ(*_*)
と思っている方もいると思います。
そういう方には、オンラインで法人設立を進めてくれるこちらのサービスをお勧めします!
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