今回は個人事業主として負担すべき社会保険料を整理しておきたいと思います。
尚、ここで記載している事項は、私個人で調べた結果ではありますが、最終的には申請・利用する個人の責任でお願いします。
そもそも、社会保険とは?
社会保険とは、健康保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の総称のことです。
健康保険
風邪や病気などで病院を受診した場合、自己負担は3割(幼児や高齢者の負担割合は2割、75歳以上だと1割負担)であり、残りは健康保険が負担してくれる仕組みです。
また、「高額療養費制度」という、医療費がどれだけ高額になっても、自己負担は月額10万円までに押させてくれる制度も含まれています。
出産した際に出る「出産育児一時金」も健康医療の一部です。
健康保険は、サラリーマンなどの勤め人が加入する「健康保険」と、個人事業主や無職の方が加入する「国民健康保険」の2種に分けられます。
健康保険
サラリーマンなどの民間企業勤務者は、会社が加入する健康保険団体が保険者になっています。
サラリーマンの家族も一緒に加入できます。
健康保険は「扶養」の概念があります。
つまり、世帯主が健康保険に加入していれば、扶養家族は追加費用なく保険に加入できます。
国民健康保険
国民健康保険は市区町村が保険者になっています。会社から給与を受けていない個人事業主の方が加入するのはこちらです。
国民健康保険は「家族扶養」という概念がないので、個人事業主の家族もそれぞれ加入する必要があります。(=保険料を支払う必要があります)
毎年6月から翌年3月頃にかけて、年9〜10回に分けて納付するケースが多いようです。
納付書を使って支払うほか、口座振替を選択することもできます。
東京都の場合、もっとも低い所得ですと、月額3,376円(40歳以上、会社折半後の個人負担額)です。
参照:全国健康保険協会HP
健康保険と国民健康保険との違いを表にまとめると以下のとおりです。
健康保険 | 国民健康保険 | |
保険者 | 会社が加入する健康保険団体 | 市区町村 |
保険対象者 | サラリーマン、公務員と扶養家族 | 個人事業主、アルバイト 無職の方 |
保険料の計算方法 | 会社が計算 | 市区町村が計算 |
保険料の支払い方法 | 給与天引き (会社が半額を負担してくれる) | 全額自分で支払う |

年金保険
こちらも「国民年金保険」と「厚生年金保険」の2種に分けられます。
国民年金保険
全ての国民が加入する年金保険です。
「基礎年金」とも言われており、全ての国民が等しい保険料を納めて、受給する年金額も同じものです。
令和3年度の保険料は月額16,610円です。
定額保険料のほかに月額400円の付加保険料を追加して納付することにより、将来の老齢基礎年金の額を増額できる制度があります。詳細は以下の国民年機構HPをご参照ください。
出典:国民年金機構HP
厚生年金保険
サラリーマンや公務員が加入する年金保険です。
国民年金保険に上乗せして加入するもので、給料に応じて支払う保険料が異なります。その分、将来受給する年金額も増えることになります。
保険料は以下の通りです。
月額報酬が88,000円以下であれば、保険料は労使折半後の個人負担は月額8,052円で済みますね。
なお、厚生年金保険の資格を取得すると、国民年金の資格は自動的に喪失しますので、厚生年金保険の資格取得月以降は国民年金の保険料を納める必要はありません。

介護保険
高齢者の介護を社会全体で支えあう、国の仕組みです。
40歳から64歳までの医療保険加入者が加入します。
保険料は国と被保険者とで折半する仕組みです。
介護保険サービスは、65歳以上の者は原因を問わず要支援・要介護状態となったときに、40~64歳の者は末期がんや関節リウマチ等の老化による病気が原因で要支援・要介護状態になった場合に受けることができます。

雇用保険
会社員だけが加入できる保険です。
「労働者の生活及び雇用の安定と就職の促進」を目的に、さまざまな保障を受けることができます。
失業時に給付される「基本手当」が主な内容で、「失業保険」という通称で呼ばれています。
雇用保険には、教育訓練給付という制度もあります。
これは、労働者の能力向上やキャリア形成を支援するものです。厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了すると、受講料や入学料などの一部が教育訓練給付として支給されます。
雇用保険料は、1年分をまとめて企業が前払いで国に納めます。従業員と企業が負担し、従業員負担分の保険料は、各月の給与から分割して徴収することになります。令和3年度の雇用保険料は以下の通りです。
尚、取締役として登記された人に対しては、雇用保険は原則として適用されません。
出典:厚生労働省HP

労災保険
業務中や通勤途中のケガ・労災に対応するための保険です。正式には「労働者災害補償保険」といい、事業主が従業員を一人でも雇う際には、必ずこの「労働保険」に加入する必要があります。
保険料は全額会社が負担します。原則として法人役員は加入対象とはなりません。
保険料率は厚生労働省HPに掲載されておりますのでご参照ください。
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