今回は採用面接を受ける前の事前調査について記載したいと思います。
私は、事前準備をかなり綿密に行った上で面接を受けるようにしていました。
単に会社ホームページや口コミサイトを見るだけではなく、経営課題の仮説が得られるような調査を意識してきました。
面接前の会社研究:どこまで深掘りできるか
私が採用面接を受ける際、事前調査する対象事項は大体以下の項目です。
これらが頭の中にあることで、面接時のちょっとした質疑応答時に深掘り質問しやすくなります。
会社業績
こちらは皆さんチェックするでしょう。
PLとしての最終利益のみならず、BS項目もチェックします。
固定資産の状況や借入比率、自己資本比率なども確認し、どういう収益構造の会社なのかを確認します。
あとは、キャッシュフローも確認します。
営業キャッシュフローが着実に得られているか、投資キャッシュフローは経年変化でどのような増減なのか、財務キャッシュフローは無理ない計画で進んでいるのか、などなどを確認します。
もし、自分が入社するかもしれない会社が、財務状況が怪しいとなると、中長期で働く場としては不安になりますよね。また、個人で調べた結果、分からないようなポイントは、その会社の財務戦略としてどうなのか、面接時に確認するネタにもなりますよね。
経理・財務メンバーの候補者ではない面接者が、面接で財務諸表について質問するのはレアだと思います。その分、面接官に対しては印象に残る質問を準備できる官と思います。
組織構成
組織構成もチェックします。
組織名の付け方や、やたらと階層構造になっていないか、海外拠点の位置付けなどを確認します。
あとは、どの役員がどこまでの組織をカバーしているのかという管掌もチェックポイントです。
あまりに組織数が多いと、社内調整する部署が多くて大変そう、この役員がここまでの組織を管掌する意味は?などなど。会社のガバナンスに関する方針を質問するネタにしています。
事業計画、中期経営計画
こちらは、定量計画よりも定性計画の確認が目的です。
「定性計画」=「計画時点での会社としての課題」ですので、管理職としての業務が多い私にとっては、入社してからどういう目標で組織を動かしていくのか、そのあたりを想像するための元ネタにしています。
役員の顔ぶれ(特に社外取締役)、役員インタビュー記事
役員については、社内昇格組がどのくらいの割合なのか、社外取締役はどういう分野から参画しているのか、ダイバーシティを考慮されているのか、等々を確認します。
また、役員インタビュー記事もできる限り確認しています。
上述の事業計画・中期経営計画で述べられている事項を役員の口からどのように説明されているのか、何が一番の全社課題なのか、を確認します。
統合報告書
統合報告書で確認するのは、会社として認識しているリスクやその対処に関する項目です。
ガバナンス状況の理解に用います。
また、ESGやSDGsに対する役員の考え方や社内取組についても確認します。
40代は自分の業務だけを考えた転職活動では不十分
転職活動の面接前事前調査でここまで実施する人は少ないかな、と思います。
ただ、40代ともなりますと、この先あと何回転職活動するかということが頭をよぎります。
年齢と共に書類審査が通りにくくなる実情を考えると、1回1回の採用面接をとてもとても大事にしないといけません。そう考えると、事前準備をしっかりとやらない理由はありません。
全社を俯瞰する業務目線が求められるであろう40代の役割にふさわしい事前調査を進めたいものです。
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